仮想通貨の所得税申告漏れ事案 重加算税含め2400万円の追徴課税

日本経済新聞2018年11月29日の記事によると、以下の事案が仮想通貨関係の追徴課税事案として公開されたということです。

国税庁は29日、2018年6月までの1年間(2017事務年度)に実施した所得税の税務調査の結果を発表した。

公表された仮想通貨取引をめぐる事案は、会社員男性が複数の仮想通貨交換会社に自分や妻名義の口座を開設したが、妻名義などの利益を申告しなかった。東京国税局は男性に約5千万円の申告漏れを指摘、重加算税を含め約2400万円を追徴課税した。

この事案は、仮想通貨購入の資金は夫が出し、妻は単に口座の名義人であったため、

夫の所得の申告漏れとされ 妻名義の利益も夫の雑所得に加算されたようです。

一般的に、所得税の申告をした後、税務調査により、追徴課税になった時には

通常以下の納税義務が生じます。

1.本税(所得税の追徴分)

2.過少申告加算税

追加納税額に対して10%割合で課せられます。

ただし、期限内申告書に記載した税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分については 15%の割合となります。

3.重加算税

過少申告加算税に代えて35%

仮装・隠ぺいにより申告している場合にその過少申告加算税などに代えて課税される税金です。

4.延滞税

法定納期限までに税金を納付しなかった場合に課税される税金で利息のようなものです。

この事案では「重加算税」も課税されているので 妻名義にしたことが、「仮装・隠ぺい」

とされたと思われます。

重加算税が付加されると、35%も納税額が増えることを考えると

どのような場合に「仮装・隠ぺい」とされるのか

気になりますよね。

所得税の重加算税のついての指針はないのですが、

「法人税の重加算税の取り扱いについて」という事務運営指針が

国税庁から出ていますのでこれを見てみましょう。

この事務運営指針では、大まかに次の行為が「仮装・隠ぺい」に該当する

としています。

①いわゆる二重帳簿を作成していること。

②帳簿書類の隠匿、虚偽記載等

③特定の損金算入又は税額控除の要件とされる証明書その他の書類を改ざん

④簿外資産から生じる利益の秘匿

⑤簿外資産をもって役員賞与その他の費用の支出

⑥同族会社であるにもかかわらず、その判定の基礎となる株主等の所有株式等を架空の者又は単なる名義人に分割する等により非同族会社としていること。

つまり、所得を過少に申告することを意図して、その意図が外部から判断できる行動をし

その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の対象になるといえるでしょう。

本件では、妻名義にしたことと、重ねて、妻名義分は申告しなかったという行為が

「仮装・隠ぺい」と判断されたということですね。

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