仮想通貨の盗難、流出により損害を受けた場合の申告

仮想通貨が流出したことにより、仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合非課税となる損害賠償金には該当せず、雑所得として課税の対象となることは、すでにお話ししました。

では、仮想通貨が盗難に遭い、または取引所から流出したにも関わらず補償金の支払いがない場合、盗難、流出した仮想通貨は、所得税の確定申告の際どのような処理になるのでしょうか?

国税庁のHPなどには その処理について記載されたものはないですが(2018年7月2日現在)

次の2通りの処理が考えられます。

1.雑損控除

2.雑所得の必要経費

まず、1.雑損控除から説明します。

雑損控除とは

災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等において受けることができる所得控除

です。

雑損控除は、雑所得の必要経費とは性質が異なります。

雑損控除の適用があると雑所得がゼロ(マイナスを含む)であっても、他に所得があれば

その所得から控除することができます。

また、控除限度額を超える損害が発生した場合には、控除を繰り越すこともできます。

 2.雑損控除の対象となる資産の要件

損害を受けた資産が次のいずれにも当てはまること。

(1)資産の所有者が次のいずれかであること。

イ 納税者

ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者。

(2) 棚卸資産若しくは事業用固定資産等又は「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること。

 (注) 「生活に通常必要でない資産」とは、例えば、別荘など趣味、娯楽、 保養又は鑑賞の目的で保有する不動産(平成26年4月1日以後は同じ目的で保 有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権など)も含まれます。)や貴金属(製品) や書画、骨董など1個又は1組の価額が30万円超のものなど生活に通常必要で ない動産をいいます。

仮想通貨が「生活に通常必要でない資産」になるかどうかについて明示されていませんが、「生活に通常必要でない資産」の「1個又は1組の価額」として数えられるものではないということと、モノやサービスの流通の手段となり得るから、現金と同様に雑損控除の対象となる(生活に通常必要でない資産ではない)と考えています。

  3.雑損控除の対象となる損害の原因

(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

(3) 害虫などの生物による異常な災害

(4) 盗難

(5) 横領

※ なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

騙されて仮想通貨を送金した場合は、「詐欺」に該当すると考えられ、雑損控除の対象にはなりません。

PCやウォレットから不正送金された場合には、(4)に該当し、

事業のための資産として仮想通貨を保有していた場合、従業員等が立場を利用してが仮想通貨を盗んだ場合(5)に該当するものと思われます。

4.雑損控除の金額

次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

(注)

1.損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以  後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができま  す。なお、雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっていま  す。

2.「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などです。

差引損失額とは、「損害金額」と「災害関連支出の金額」の合計から「保険金などで補填さ れる金額」を差し引いた金額です。

仮想通貨の盗難や流出に遭った場合、雑損控除が使えると、3年間 損失が繰り越せます。

国税庁タックスアンサーNo.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)引用

2.雑所得の必要経費 になるかどうかについては 次回検討します。

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