非居住者になってできる節税、できない節税

仮想通貨で給与や報酬を支払った場合

従業員に対して給与を支払う場合、または税理士・会計士等に対して報酬を支払う場合、支払者には源泉徴収義務が生じます。

源泉徴収義務者とは、次のような人です。

”会社や個人が、人を雇って給与を支払ったり、税理士、弁護士、司法書士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引くことになっています。
そして、差し引いた所得税及び復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納めなければなりません。
この所得税及び復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。”
国税庁タックスアンサーより

源泉徴収義務者は、仮想通貨で給与や報酬(以下「給与等」といいます)を支払う場合にも、源泉徴収してその税金を原則的には翌月10日までに、納付しなければなりません。

仮想通貨で給与等を支払った場合、源泉徴収税額の計算はどうすればいいのでしょうか??

給与や報酬を仮想通貨で支払う場合において 考えられる給与等の支払額の確定方法は次の2パターンです。

1.日本円(または他の通貨)で金額を確定し、その確定額相当の仮想通貨で支払う。
2.仮想通貨で支払額を確定させる。

2.の方法の場合、源泉徴収税額を決めるためには、まず給与等の額が日本円でいくらになるかを確定させなければなりません。

仮想通貨は、「金銭」ではないので、現物給与・報酬ということになります。
この場合の評価は「金以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする(所得税法36)」
とされていますので、給与であれば権利確定日(締め日)、報酬であれば報酬額確定日に円換算することになると考えられます。

1.の方法で日本円の額が先に決まっている場合には、確定日のレートで現物給与等の支払額が確定することになります。

1.でも2.でも源泉徴収税額については円ベースで給与・報酬を計算し、その金額に対し源泉徴収することになります。
支払のすべてを仮想通貨での支払いにすると、日本円で計算した源泉徴収税額をまた仮想通貨換算し差引いて支払うことになりますが、
何度も換算することになり、複雑なので、通常は一部仮想通貨で支払い、残りは日本円で支払うという契約にすることが多いのではないかと思います。

仮想通貨で源泉徴収した場合、源泉徴収義務者は、源泉徴収税額部分について仮想通貨で保管し、源泉徴収税額の納税の直前に円に交換すると
その部分の差損益が生じることになりますので、注意が必要です。

源泉所得税の納税は、原則翌日10日納付ですが、納期の特例の適用を受けると、年2回にまとめて支払うことができるようになるため、
乱高下の激しい仮想通貨だと、半年後の価額が大きく変わる可能性があるからです。

(注)
このサイトは、私個人が税理士として、仮想通貨の一般的な取り扱いを解説したり、考えたりするものです。
仮想通貨の税法上の取り扱いは今後変わっていく可能性があり、本サイトでの記事が正しいことを保証するものではありません。
実際の申告、税負担については、十分にご注意ください。

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